09/3/2010
“ツイッターは簡単なモデルですね。あるネットメディアが流行るときには、どのネットメディアが衰退するのかというのと完全に関係していると。例えば昔はニフティサーブというのがあった。僕はその本を書いているんですね。そのときはニフティサーブなどの「パソコン通信」がメジャーであったと。ところが次に、「インターネット」と当時は言ってたんですけど、その「インターネット」の方に流れていった。そうするとどんどんニフティサーブの方は人数が少なくなって、置いていかれる感が出てくる。つまり、古いところは廃れていく分、新しいところは流行ると。
インターネットが流行りだして、これが最終的に行き着いた先は「2ちゃんねる(2ちゃん)」なんですね。で、2ちゃんも一時期、まあ10年くらい前ですかね、すごい流行っていて、そこにはいい情報もあればダメな情報もあった。ただ、それが日本最大の掲示板であり、最大の公共知財というのかな。知を集める場所になっていった。ウィキペディアなんかない時代ですから、そうならざるを得ないんですよ。だから、なんか分かんないことがあると2ちゃんで調べるということが起きた。2ちゃんの情報はなんか怪しいんだけど、2ちゃんにだったらいろいろあるよ、という状態になった。
ところが2ちゃんも、もうあんまり流行っていないみたいですよね。その原因は何かというと簡単で、ミクシィなんですね。これはずっとそうなんですけども、新しいネットメディアが現れて、その敷居がやや高いと、必ずそこには新しい物好きで、知的で、経済的にやや余裕のある人たちが絶対に集まるんですね。さっきのパソコン通信とインターネットの間には、まだそこまではっきりとした法則は現れなかったんですけど、この2ちゃんからミクシィへの移行のときから、はっきりとした法則が現れだした。それは何かって言うと、ミクシィはまず、最初に紹介されないと入れないという障壁の高さ、バリアの高さがある。あと、使いこなすには会費があったほうがいい。この2つの障壁のおかげで、ミクシィのほうは、言い方は悪いんですけれども、より高級な人、ネット世界での高級な人が集まりやすい場所になったんですね。これは今言った、2つの障壁ですね。紹介が必要だったりおカネが必要だったりする。一方で、2ちゃんのほうはいつでも誰でも入れて、誰が発言してもいいと。そうすると、2ちゃんのことが嫌になってる人とか、こういうものにおカネを払ってもいいとか、紹介してくれる人がいるとかいう障壁があると、やや高級な人がミクシィに入るようになっちゃう。そうすると2ちゃんの方からは、いい情報も悪い情報もあるんだけど、それまで2ちゃんを支えてきた、いい情報を発信する5%が丸々抜かれることになる。(中略)
相変わらず2ちゃんをじーっとよく観察すると、すごくいい情報もあるし、洞察力とか知性にあふれた発言もあるんです。でもその配分があまりにも少なくなってしまったので、もう2ちゃんに書いても仕方がないとみんな思い始めてる。だから2ちゃんねるは、あまり流行らなくなってきた。「それでも、なくならないじゃないか」とよく言われるんですけど、そりゃそうですよ、今の公立中学のような状態で、残るんです。ところがいい人たちはミクシィの方に流れてしまう。
それで、ツイッターが流行った理由っていうのは、今の繰り返しなんですけど、ツイッターのほうがミクシィより障壁が高いから。なぜかっていうと、あれ、どういうものなのかよく分かんないんですね。ミクシィは商業施設だから、最初からマニュアルとか「こうやればいい」っていうまとめサイトが存在したんですけど、ツイッターはそれが存在しない。今、ようやくいろんな雑誌で「ツイッターとは何か」「こうやって参加すればいいんだ」と、楽しみ方っていうのがたくさん紹介されてますけども、少なくとも去年の今頃の段階ではそんなものは1つもなかった。つまり、バリアがあったんですね。
しかも、ツイッターに入ったからといって、あれは誰かがフォローしてくれないと面白くないんです。ミクシィだったら、マイミクの申請とかあるんですけど、ツイッターはそういう申請制度がないもんだから、余計ほったらかしにされると。ということは、「オレなんかが入っても誰もフォローしてくれないから面白くないよ」と思って、みんななかなか入らないんですね。この人脈を作るスキルがあるのかないのかも、やっぱり大きなバリアとなっている。だからミクシィみたいにおカネのバリアじゃなくて、対人能力、コミュニケーション能力自体とか、自分の情報発信能力があるのかどうかがフォロワー数を決めるので、大変入りにくいものになっている。その結果、ミクシィから面白い人たちがごっそり抜かれ、これが今のミクシィが流行らなくなってきた原因ですね。(中略)
これの繰り返しなんです。ネットにおいては、面白くて、注目されてて、評判が高かったり評価されている人、まあ「評価経済」「注目経済」っていういい方もできるんですけど、そういうポイントを持っている人というか、資産といってもいいですね。そういう資産を持っている人がどこに流れるかで次の中心が決まり、そしてそういう人たちがごっそり抜かれることで前のメディアがいたたまれないほどさびれていく。
(中略)
「この人は面白いかな」って思ってフォローしていっても、次第にその人の元情報が面白いと思えるようになる。そうすると最後には、何人かの特定のハブの人にみんな集中するようになる。つまり一部のハブの人たちが数万人とか10万人を超えるフォロワーを生んで、残りの人たちはそれを結局読むだけになってくる。この構造がどんどんはっきりしてきて、次に、「どうでもいいような情報は発信しない」って人がどんどん増えてくる。つまりつぶやく人と、聞くだけの人の比率が1:10を超えるようになってくると、どんどんツイッターはつまらない場所になってきて、フェイスブックに行く。まあ、フェイスブックになるのかどうか僕は分からないんですけども、より障壁が高くて、新しくて、いろいろ人が集まりやすい場所ですね。それはUstreamかも分からないです。それらに行くようになってくると、ツイッターはさびれるでしょう。
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【ウェブ限定FREE記事】岡田斗司夫インタビュー - Powered by Google ドキュメント
via 週刊ダイヤモンド3月13日号 『FREE』特集のフリー素材集 | 週刊ダイヤモンド『FREE』特集フリー素材集 | ダイヤモンド・オンライン
(via syoichi)
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